ブランディングを兼ねた採用広報。
ブログ、特にnote などのプラットフォームを使った社内インタビューの記事を見かける人も多くなっているのではないでしょうか。
読んでみるとなんとなく自分たちでもできそう……。そう感じるものの、実際に始めてみると記事を書く手が止まってしまう…。
「こんな記事を書いて、本当に採用で役に立つのかな……?」
そして数記事を書いた時点でブログネタも尽きてしまい、更新もストップ。最後はアカウントの閉鎖か、放置になってしまうことも珍しくありません。
今日は採用広報のブログを始めるのであれば最低限設置しておきたい記事をベースに、ブログネタのアイデアを10個ほどご紹介します。
企業の特徴を4分類する
まずは基本的なことですが、
- 企業理念
- 人・文化
- 事業・業務内容
- 働き方・待遇
で記事ネタを分類・整理することで、最低限載せておきたいコンテンツが何なのかが見えてきます。
企業理念
ミッションやビジョン、バリューなどを記事テーマにします。
社長の話す創業秘話や、社内で指針となっている行動規範を書くことになりますが、机上のものであってはいけません。
すでに社内文化として定着していることを具体例を交えて紹介します。そうすることで、入社時の期待ギャップ、ズレを防ぐことがきます。
読者が自分の価値観や原体験に一致した仕事環境を求めている場合に有効です。
人・文化
社員インタビューを中心に、キャリアに対する考え方や社内の様子、時にはイベントの様子や休憩時間の振る舞いなどをざっくばらんに聞くコンテンツです。
一緒に働く仲間はどんな人たちなのか。社員の写真などを豊富に載せた記事は、文字だけよりもイメージがしやすく、自分の働く姿を重ね合わせることができます。
読者は現在の職場でのコミュニケーションに不満があったり、風土として馴染めないものを感じているかもしれません。そういった心境に刺さる記事を作成します。
事業・業務内容
どのような業界で、どんな業務内容に取り組んでいる企業なのか。
もっともベーシックな内容ですが、ゆえに独自の視点や見解を交えたコンテンツにすることが大切です。競合優位性や、市場規模に対する成長の余地も重要です。
読者は企業の成長性に対しての安心感を求めている場合もあれば、新しい仕事にチャレンジして新たなスキルを身につけたいと考えているかもしれません。
どのように働けるのかがイメージできる記事を作成しましょう。
働き方・待遇
研修や福利厚生、仕事のツールから給料、残業などなど。
特に入社を検討する段階にいる求職者にとっては、最後の決め手、背中を押す要因にもなる部分です。
特にコロナ以降はリモートワークと出社の比率や、ワークライフバランスを視野に入れた働き方ができそうかなど、チェック項目がな多岐にわたる部分です。
期待値とのギャップが生まれないよう、良い面・悪い面をしっかり記事に盛り込むことが、離職率などの低減に効果を発揮します。
基本のブログネタ10選をご紹介
それではさっそく、基本でありながら絶対に外せない記事ネタをご紹介していきます。
1.はじめましての記事
Wantedly方式、と(勝手に)呼んだりしているのですが、「なぜやるのか」「どうやっているのか」「何をやっているのか」をベースに会社紹介をしつつ、この採用広報ブログでは何を目的として発信していくのかを伝えます。
2.社長の創業ストーリーで理念を伝える
想いをもって会社を立ち上げた場合にはとても有効な記事になります。多くの場合、社内の組織カルチャーのベースとなっているため、理念と紐づけた記事が作成できます。
3.仕事内容の紹介をする
職種ごとに社員をインタビューすることができるため、ある程度の量産が可能なコンテンツです。特に募集中の職種があれば優先して作成します。
新人社員からベテラン社員まで、仕事フェーズに応じた現場のリアルを伝えることで、自分が入社したあとのスキルアップのイメージなどへつなげることができます。
4.社員同士の連携プレーを紹介
社員同士での連携が必要な規模の場合、日頃どのようにコミュニケーションを取っているかを探るインタビュー記事も有効です。
商品開発からマーケティング、CS(カスタマーサポート)まで連携があるのかどうかなど。業種によって様々なケースが想定されますが、実際に働く人たちの横のつながりを知ることは、社内風土の理解にもつながります。
5.業界や市場についての見解を述べる
異業種からの転職を考えている求職者に対して、業界や市場のことをお伝えする記事です。
特に珍しい業界に属している場合や、メジャーな業界であってもニッチな戦略でアプローチしている場合にはその市場の成長性などを伝えることができます。
自社の事業戦略のユニーク性が際立つ記事作成を目指しましょう。
6.プレスリリースや受賞を振り返る
社会貢献活動に関する企画を過去に実施している場合や、受賞歴が過去にある場合には当時の振り返りをすることで、その根っこにある想いを伝えることができます。
表面的にはウケ狙いに見えてしまうような企画であっても、ていねいに伝えることで新たな一面を届けることができるなど、色々な応用ができる記事の作成法です。
直近の出来事であれば、イベントレポートの形式もおすすめです。
7.福利厚生を伝える
リモートワークや時短勤務、フレックスタイム制など、働き方に関する記事は入社を検討する求職者にとってはとても重要なコンテンツです。
会社側が形式的に伝えるのではなく、それを利用する社員に率直なところをインタビューすることで、実際に働くことになってからのイメージがわきやすくなります。
8.業務時間外の社員の過ごし方
休憩時間のほか、退勤後の社員の様子をインタビューする企画イメージです。
一見それがどのような役割を採用広報の面で担うのかわかりにくく感じるかもしれませんが、実際は自宅での残業にあてていたり、もしくはON/OFFを明確にわけていたり、さらには社外イベントなどに積極的に参加しているかなど、社員の価値観から社内の風土が見えてくるコンテンツです。
9.新人から見た先輩、先輩からみた後輩
どんなにキャリアがあっても、転職直後は新人です。
そういった場合に、社内ではどのようなコミュニケーションが先輩後輩の間で行われているのか?
ざっくばらんであればあるほどリアリティのあるコンテンツになります。応用編では、管理職の立場で入社した社員が、新人の立場で部下を持つ心境などを聞いてみても良いでしょう。
10.座談会コンテンツ
グルーピングの仕方によって、女子会雑談やエンジニア雑談など、特定の層からみた会社の様子を見ることができる記事になります。
写真などを多めに使い、文章では見えにくい日頃の様子を伝えるには、こういったカジュアルなコンテンツが有効です。
ブログネタを使いする+四要素
- 企業理念
- 人・文化
- 事業・業務内容
- 働き方・待遇
この四要素からブログネタを紹介してきましたが、さらにブログネタを増やす追加要素がさらに四要素あります。
参考までにご覧ください。
- 他社や海外の事例紹介
- 技術や開発手法の紹介
- 組織カルチャーの作り方
- 商品/サービスの実績紹介
記事ネタはどうしてもテーマが重なりやすく、1つの記事のなかで複数の要素が絡み合ってしまうことも少なくありません。
ですが、あまりに要素を詰めすぎると1記事あがりの文字量も増え、読みにくいコンテンツになってしまいます。
note を使って採用広報をする場合では、目安として2,000~3,000文字以内に収めることを基本とし、1記事1テーマを守った、読み手にとってわかりやすい記事にすることが大切です。
ブログネタを倍増させるフェーズ分類法
ここまでは「ネタ」をベースにお伝えしてきましたが、これを2倍、3倍にコンテンツ量を増やす考え方があります。
それが、想定読者を3フェーズにわける方法です。
- 認知前の無関心層
- 応募検討段階の層
- 入社検討段階の層
無関心層へのアプローチ
基本的にブログというのは、誰でもアクセスできることが前提になります。
そう考えると、たまたま検索したかSNSで見かけたかなど、偶然に記事にたどり着くケースもあります。
その場合は就職や転職には意識を向けないため、お役立ちコンテンツである「ハウツー」や「ナレッジ共有」に意識を向けると良いでしょう。
応募検討段階層へのアプローチ
その会社のことはすでに知っている興味関心がある段階です。
どんな社員の方がいるんだろう、面接官はどんな人だろう、この会社にはどんな魅力があって、自分はどんな働き方ができるんだろう?
そういったさまざまな疑問が巡っているフェーズですので、嘘偽りのないリアルな様子をわかりやすく伝える記事コンテンツが有効です。
入社検討段階の層へのアプローチ
選考を進めるかどうか、内定を承諾するかどうかを検討している層が読むことを想定する記事です。
ここまでくると、よりリアルな会社の実情が知りたい時期です。転職が当たり前になった世の中ではありますが、それでもある程度の年数を預ける覚悟はあるものです。
会社としての成長性、実際に働く人たちとのコミュニケーション、経営陣の人柄や考え方、入社後の1ヶ月間でどんなオンボーディングが行われるのか?
そういった疑問に答えられる記事を作ることが必要になります。
まとめ
まずは企業の特徴を四要素に分け、基本的な記事を作成します。
- 企業理念
- 人・文化
- 事業・業務内容
- 働き方・待遇
さらにプラスアルファの四要素で多面的に記事展開します。
- 他社や海外の事例紹介
- 技術や開発手法の紹介
- 組織カルチャーの作り方
- 商品/サービスの実績紹介
そしてそれらを下記の三要素で階層的に伝えます。
- 認知前の無関心層
- 応募検討段階の層
- 入社検討段階の層
ブログの記事ネタとしては10選ですが、多面的、階層的にアイデアの工夫をすることで、実際は30~50ほどの記事を作成できるイメージが湧いたのではないでしょうか。
ぜひ採用広報の記事制作でご活用ください。